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Bitcoin Optech Newsletter #214
今週のニュースレターでは、チャネルジャミング攻撃に関するガイドのリンクと、 Silent PaymentのPRに対するいくつかの更新を掲載しています。 また、人気のあるサービスやクライアントの変更や、新しいリリースおよびリリース候補の発表、 人気のあるBitcoinインフラストラクチャソフトウェアの注目すべき変更など、 恒例のセクションも含まれています。
ニュース
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● チャンネルジャミング攻撃の概要とその緩和策: Antoine RiardとGleb Naumenkoは、Lightning-Devメーリングリストに、 チャネルジャミング攻撃とそのいくつかの解決策の提案に関するガイドを公開したことを 発表しました。このガイドでは、Swapプロトコルや短期間のDLCなど、 LN上に構築されたプロトコルで、いくつかの解決策がどのように役立つかも考察しています。
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● Silent PaymentのPRの更新: woltxは、Bitcoin-Devメーリングリストに、 Silent Paymentに関するBitcoin CoreへのPRが更新されたことを投稿しました。 Silent Paymentは、オンチェーンで監視可能な支払いのリンクを作成することなく、 さまざまな送信者が再利用可能なアドレスを提供します(ただし受信者は、 その後の行動によってそのプライバシーを弱めないよう注意する必要があります)。 PRの最も重要な変更は、Silent Payment用に新しいアウトプット・スクリプト・ディスクリプターが追加されたことです。
新しいディスクリプターの設計は、PRでかなり議論されました。 ウォレット毎にSilent Paymentディスクリプターを1つだけ許可するのは、 新しいトランザクションを監視するのに最も効率的ですが、 多くの場合、悪いユーザー・エクスペリエンスになると指摘されました。 この問題に対処するために、Silent Paymentの設計に若干の調整をすることが提案されましたが、これにはトレードオフが伴います。
サービスとクライアントソフトウェアの変更
この毎月の特集では、Bitcoinのウォレットやサービスの興味深いアップデートを取り上げています。
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● Purse.ioがLightningのサポートを追加: 最近のツイートで、Purse.ioはLightning Networkを使用した入金(受信)と引き出し(送信)をサポートすることを発表しました。
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● Coinjoin実装のProof of Concept joinstr: 1440000bytesは、中央のサーバーを持たない公開鍵ベースのリレーネットワークであるnostrプロトコルを利用した CoinjoinのProof of Conceptであるjoinstrを実装しました。
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● Coldcardファームウェア5.0.6をリリース: Coldcardのバージョン5.0.6では、BIP85、
OP_RETURN
スクリプトおよびマルチシグディスクリプターのサポートが追加されました。 -
● NunchukがTaprootをサポート: Nunchukのモバイルウォレットの最新バージョンでは、 (シングルシグの)Taproot、Signetおよび、 拡張PSBTのサポートが追加されました。
リリースとリリース候補
人気のBitcoinインフラストラクチャプロジェクトの新しいリリースとリリース候補。 新しいリリースにアップグレードしたり、リリース候補のテストを支援することを検討してください。
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● BDK 0.21.0は、ウォレット構築用のこのライブラリの最新リリースです。
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● Core Lightning 0.12.0は、この人気のLNノード実装の次のメジャーバージョンリリースです。 新しい
bookkeeper
プラグイン(ニュースレター #212参照)とcommando
プラグイン(ニュースレター #210))が含まれ、 Static Channel Backupのサポートが追加され、 明示的に許可したピアがあなたのノードにゼロ承認チャネルを開く機能が提供されます。 これらの新しい機能に加えて、他の多くの追加機能やバグ修正が含まれています。 -
● LND 0.15.1-beta.rc1は、「ゼロ承認チャネル、SCIDエイリアスおよび、 どこでもTaprootアドレスを使用するための切り替えを含む」リリース候補です。
注目すべきコードとドキュメントの変更
今週のBitcoin Core、Core Lightning、Eclair、LDK、 LND、libsecp256k1、Hardware Wallet Interface (HWI)、Rust Bitcoin、BTCPay Server、BDK、Bitcoin Improvement Proposals(BIP)、およびLightning BOLTsの注目すべき変更点。
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● Bitcoin Core #25504は、
listsinceblock
およびlisttransactions
、gettransactions
のレスポンスを、 関連するディスクリプターを新しいparent_descs
フィールドに記述するよう修正しました。 さらに、listsinceblock
は、オプションパラメーターinclude_change
毎にお釣り用のアウトプットを明示的にリストするよう指定できるようになりました。 通常、お釣り用のアウトプットは、送金時の暗黙の副産物として省略されますが、 監視用のディスクリプターでは、それらをリストするのが役立つ場合があります。 -
● Eclair #2234は、BOLTs #911で許可されたように(ニュースレター #212参照)、 通知時にノードにDNS名を関連付けるサポートを追加しました。
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● LDK #1503は、BOLTs #759で定義されたOnionメッセージのサポートを追加しました。 PRは、この変更が後続のOfferのサポートを追加するための準備であることを示しています。
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● LND #6596は、すべてのウォレットアドレスとその現在の残高をリストする新しい
wallet addresses list
RPCを追加しました。 -
● BOLTs #1004は、ルーティングのためにチャネル情報を保持するノードが、チャネルが閉じられた後、 少なくとも12ブロック待ってからその情報を削除するよう推奨するようになりました。 この遅延は、チャネルが実際には閉じられておらず、 代わりにオンチェーン・トランザクションで資金が追加もしくは削除されるスプライスの検出をサポートするためのものです。