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Bitcoin Optech Newsletter #355
今週のニュースレターでは、サービスやクライアントソフトウェアの更新や、 新しいリリースとリリース候補の発表、人気のあるBitcoinインフラストラクチャソフトウェアの最近の変更など 恒例のセクションを掲載しています。
ニュース
今週は、どの情報源からも重要なニュースは見つかりませんでした。
サービスとクライアントソフトウェアの変更
この毎月の特集では、Bitcoinのウォレットやサービスの興味深いアップデートを取り上げています。
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● Cake WalletがPayjoin v2をサポート: Cake Wallet v4.28.0では、 Payjoin v2プロトコルを使用した支払いを受け取れるようになりました。
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● Sparrowがpay-to-anchor機能を追加: Sparrow 2.2.0では、 P2A(pay-to-anchor)アウトプットの表示と送信が可能になりました。
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● Safe Wallet 1.3.0リリース: Safe Walletは、ハードウェア署名デバイスをサポートするデスクトップマルチシグウォレットで、 1.3.0では受信トランザクションにCPFPによる手数料の引き上げが追加されました。
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● COLDCARD Q v1.3.2リリース: COLDCARD Q v1.3.2 リリースには、マルチシグ支払いポリシーの追加サポートと、 機密データ共有のための新機能が含まれています。
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● Payjoinを使用したトランザクションのバッチ処理: Private Pondは、Payjoinを使用して 手数料の少ない小規模なトランザクションを生成するトランザクションバッチ処理サービスの 実験的な実装です。
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● JoinMarket Fidelity Bond Simulator: JoinMarket Fidelity Bond Simulatorは、 JoinMarketの参加者がFidelity Bondに基づいて 市場でのパフォーマンスをシミュレーションするためのツールを提供します。
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● Bitcoin opcodeのドキュメント化: Opcode Explainedでは、Bitcoinスクリプトの各opcodeがドキュメント化されています。
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● Bitkeyのコードのオープンソース化: ハードウェア署名デバイスBitkeyは、非商用利用向けにソースコードを オープンソース化すること発表しました
リリースとリリース候補
人気のBitcoinインフラストラクチャプロジェクトの新しいリリースとリリース候補。 新しいリリースにアップグレードしたり、リリース候補のテストを支援することを検討してください。
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● LND 0.19.0-betaは、この人気のLNノードの最新のメジャーリリースです。 これには、協調クローズにおける新しいRBFベースの手数料引き上げを含む多くの改善や バグ修正が含まれています。
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● Core Lightning 25.05rc1は、この人気のLNノード実装の次期メジャーバージョンのリリース候補です。
注目すべきコードとドキュメントの変更
最近のBitcoin Core、Core Lightning、Eclair、LDK、 LND、libsecp256k1、Hardware Wallet Interface (HWI)、Rust Bitcoin、BTCPay Server、BDK、Bitcoin Improvement Proposals(BIP)、Lightning BOLTs、 Bitcoin InquisitionおよびBINANAsの注目すべき変更点。
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● Bitcoin Core #32423は、
rpcuser/rpcpassword
の非推奨通知を削除し、 設定ファイルに平文の認証情報を保存することに関するセキュリティ警告に置き換えました。 このオプションは、複数のRPCユーザーをサポートし、cookieをハッシュするrpcauth
が Bitcoin Core #7044で導入された際に非推奨となりました。 また、このPRでは、両方のメソッドから取得した認証情報にランダムな16 byteのsaltを追加し、 メモリに格納する前にハッシュします。 -
● Bitcoin Core #31444は、
TxGraph
クラス(ニュースレター#348参照)を拡張し、 3つの新しいヘルパー関数を追加しました。GetMainStagingDiagrams()
は、 メインの手数料率ダイアグラムとステージングの手数料率ダイアグラム間のクラスターの乖離を返します。GetBlockBuilder()
は、グラフチャンク(サブクラスターの手数料率でソートされたグループ)を 手数料率の高い順に反復処理してブロックの構築を最適化します。GetWorstMainChunk()
は、 排除の判断の際に、手数料率が最も低いチャンクを特定します。このPRは、 クラスターmempoolプロジェクトの完全な初期実装における最終的な構成要素の1つです。 -
● Core Lightning #8140は、デフォルトでチャネルバックアップの ピアストレージを有効にします(ニュースレター#238参照)。 これにより、ストレージを現在または過去のチャネルを持つピアに限定し、
listdatastore
/listpeerchannels
を繰り返し呼び出す代わりに、 バックアップとピアリストをメモリにキャッシュし、バックアップの同時アップロードの上限を2つのピアに制限し、 65 kBを超えるバックアップをスキップし、送信時にピアの選択をランダムにすることで、 大規模ノードでも実行可能になりました。 -
● Core Lightning #8136は、最近のBOLTs #1215仕様更新にあわせて、 アナウンスの署名の交換を6ブロック後ではなくチャネルの準備ができた時に行われるようになりました。 チャネルのアナウンスに6ブロック待つ必要があるのは変わっていません。
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● Core Lightning #8266は、Recklessプラグインマネージャー(ニュースレター#226参照)に
update
コマンドを追加します。このコマンドは、指定されたプラグイン、 または指定されていない場合はインストール済みのすべてのプラグイン( 固定のGitタグまたはコミットからインストールされたものは除く)を更新します。 またこのPRは、install
コマンドを拡張し、プラグイン名に加えて、 ソースパスまたはURLからも取得できるようにしています。 -
● Core Lightning #8021は、リモートのファンディング鍵のローテンションを修正することで、 チャネルの再確立時に
splice_locked
を再送信することで元々見逃していたケースをカバーし(ニュースレター#345参照)、コミットメント署名メッセージが特定の順序で到着するという要件を緩和し、 スプライシングRBFトランザクションの受け取りと開始を可能にし、 必要に応じて送信PSBTをバージョン2に自動変換するなど、 Eclairとのスプライシングの相互運用(ニュースレター#331参照)を完成させました。 また、その他のリファクタリングも行われています。 -
● Core Lightning #8226は、新しい
signmessagewithkey
RPCコマンドを追加することで、 BIP137を実装しました。このコマンドにより、ユーザーはBitcoinアドレスを指定することで、 ウォレット内の任意の鍵でメッセージに署名できます。これまでは、Core Lightningの鍵でメッセージに署名するには、 外部ライブラリで秘密鍵を抽出し、Bitcoin Coreでメッセージに署名する必要がありました。 -
● LND #9801では、新しい
--no-disconnect-on-pong-failure
オプションが追加されました。 このオプションは、pong応答が遅延または不一致の場合にピアを切断するかどうかを制御します。 デフォルトではfalseに設定されており、pongメッセージの失敗時にピアを切断するLNDの現在の動作が維持されます (ニュースレター#275参照)。trueに設定すると、LNDはイベントをログに記録するだけです。 このPRでは、ping watchdogをリファクタリングし、切断が抑制された場合もループを継続するようにしました。
もっと知りたいですか?
このニュースレターで言及されたトピックについてもっと議論したい方は、 (ニュース レターが公開された翌日の)木曜日の16:30 UTCから Riverside.fmで毎週開催されているBitcoin Optech Recapにご参加ください。この議 論は録画もされ、ポッドキャストページからご覧いただけます。