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Bitcoin Optech Newsletter #318
今週のニュースレターでは、Bitcoinのマイニングについて議論するための新しいメーリングリストを発表します。 また、Bitcoin Stack Exchangeで人気のある質問とその回答や、新しいリリースとリリース候補の発表、 人気のあるBitcoinインフラストラクチャソフトウェアの最近の変更など恒例のセクションも含まれています。
ニュース
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● 新しいBitcoinマイニング開発メーリングリスト: Jay Beddictは、「Bitcoinのマイニング技術のアップデートや、 Bitcoin関連のソフトウェアやプロトコルの変更がマイニングに与える影響について議論する」ための新しいメーリングリストを 発表しました。
Mark “Murch” Erhardtは、testnet4に導入されたタイムワープの修正が mainnetにも導入された場合(クリーンアップソフトフォークの一部などで)、 マイナーが無効なブロックを作成する可能性があるかどうかをメーリングリストに投稿しました。 Mike Schmidtは、メーリングリストの読者に、Bitcoin-Devメーリングリストの 不明瞭なシェア(ニュースレター #315参照)に関する スレッドを紹介しました。
Bitcoin Stack Exchangeから選ばれたQ&A
Bitcoin Stack ExchangeはOptech Contributor達が疑問に対して答えを探しに(もしくは他のユーザーの質問に答える時間がある場合に)アクセスする、 数少ない情報ソースです。この月刊セクションでは、前回アップデート以降にされた、最も票を集めた質問・回答を紹介しています。
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● すべてのトランザクションを知らないノードが検証前にBIP152コンパクトブロックを送信することはできますか? Antoine Poinsotは、ブロックヘッダーにコミットされたすべてのトランザクションを検証する前に コンパクトブロックを転送することはサービス拒否のベクトルになると指摘しています。
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● Segwit (BIP141)は、BIP62に記載されているすべてのtxidのマリアビリティの問題を解消していますか? Vojtěch Strnadは、txidが不正に操作されるさまざまな方法、segwitがマリアビリティに対処した方法、 意図しないマリアビリティとは何か、ポリシー関連のプルリクエストについて説明しています。
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● なぜチェックポイントは2024年になってもコードベースに残っているのですか? Lightlikeは、「Headers Presync」の追加により、 Bitcoin Coreのコードベースにはチェックポイントに対する 既知の 要件がないと指摘していますが、 チェックポイントが防御している 未知の 攻撃ベクトルが存在する可能性があることを強調しています。
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● Bulletproof++はSNARKsのような汎用ZKPですか? Liam Eagenは、現在使用されているような簡潔な非対話型知識証明(SNARKs)の種類と、 BulletproofやBitVM、OP_CATを使用して Bitcoin Scriptでそのような証明を検証する方法について詳しく説明しています。
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● OP_CATはどのようにして追加のコベナンツを実装できるのでしょうか? Brandon - Reardenは、提案中のOP_CAT opcodeがBitcoin Scriptにコベナンツの機能を提供する方法について説明しています。
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● 一部のbech32ビットコインアドレスに大量の’q’が含まれるのはなぜですか? Vojtěch Strnadは、OLGAプロトコルが任意のデータをP2WSHアウトプットにエンコードする際、 そのスキームの一部でゼロパディングが必要になることを明らかにしました(bech32では、 0は’q’としてエンコードされます)。
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● 0-conf署名ボンドはどのように機能しますか? Matt Blackは、OP_CATベースのコベナンツにロックされた資金が、 支払人にRBFによる手数料の引き上げを行わないようにするインセンティブを与え、 ゼロ承認トランザクションの受け入れを増やす可能性があることを概説しています。
リリースとリリース候補
人気のBitcoinインフラストラクチャプロジェクトの新しいリリースとリリース候補。 新しいリリースにアップグレードしたり、リリース候補のテストを支援することを検討してください。
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● Core Lightning 24.08rc2は、この人気のLNノード実装の次期メジャーバージョンのリリース候補です。
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● LND v0.18.3-beta.rc1は、この人気のLNノード実装の軽微なバグ修正リリースのリリース候補です。
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● BDK 1.0.0-beta.2は、ウォレットやその他のBitcoin対応アプリケーションを構築するためのこのライブラリのリリース候補です。 元の
bdk
Rustクレートの名前がbdk_wallet
変更され、 低レイヤーのモジュールは、bdk_chain
、bdk_electrum
、bdk_esplora
、bdk_bitcoind_rpc
などの独自のクレートに抽出されました。bdk_wallet
クレートは、「安定した 1.0.0 API を提供する最初のバージョンです」。 -
● Bitcoin Core 28.0rc1は、主要なフルノード実装の次期メジャーバージョンのリリース候補です。 テストガイドは準備中です。
注目すべきコードとドキュメントの変更
最近のBitcoin Core、Core Lightning、Eclair、LDK、 LND、libsecp256k1、Hardware Wallet Interface (HWI)、Rust Bitcoin、BTCPay Server、BDK、Bitcoin Improvement Proposals(BIP)、Lightning BOLTs、 Bitcoin InquisitionおよびBINANAsの注目すべき変更点。
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● LDK #3263は、
ResponseInstruction
構造体からメッセージタイプパラメーターを削除し、 更新されたResponseInstruction
に基づいて、ブラインド応答パスと非ブラインド応答パスの両方を処理できる 新しいMessageSendInstructions
列挙型を導入することで、Onionメッセージの応答の処理方法を簡素化します。send_onion_message
メソッドは、MessageSendInstructions
を使用するようになったため、 ユーザーは自分で経路探索を行うことなく応答パスを指定できます。 新しいオプションであるMessageSendInstructions::ForReply
を使用すると、 メッセージハンドラーはコード内で循環依存関係を作成することなく、後で応答を送信できます。 ニュースレター#303をご覧ください。 -
● LDK #3247は、チャネル残高を取得するためのより直接的で正確なアプローチを提供する
ChannelMonitor::get_claimable_balances
メソッドを優先し、AvailableBalances::balance_msat
メソッドを非推奨にします。 非推奨となったメソッドのロジックは、残高に保留中のHTLC(後で取り消される可能性のあるもの)が含まれている場合に アンダーフローが発生する問題を処理するために設計されたものであったため、今となっては旧式なものです。 -
● BDK #1569では、
bdk_core
クレートが追加され、bdk_chain
からいくつかの型(BlockId
、ConfirmationBlockTime
、CheckPoint
、CheckPointIter
、tx_graph::Update
、spk_client
)が移動されました。bdk_esplora
、bdk_electrum
およびbdk_bitcoind_rpc
チェーンソースは、bdk_core
にのみ依存するように変更されました。 これらの変更は、bdk_chain
でのリファクタリングを高速化するために行われました。