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Bitcoin Optech Newsletter #132
今週のニュースレターでは、Payjoinの採用やハードウェアウォレットをより高度なBitcoinの機能と互換性のあるものにすることについて、 Bitcoin-Devメーリングリストへの投稿をまとめています。また、サービスやクライアントソフトウェアの変更点、新しいリリースやリリース候補、 人気のあるBitcoinインフラストラクチャソフトウェアの変更点などの概要をまとめた通常のセクションも含まれます。
ニュース
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● Payjoinの採用: Chris Belcherは、Payjoinの送信や受信をサポートするプロジェクトを追跡するwikiページと共に、 Payjoinの採用を増やすための方法があるかどうかBitcoin-Devメーリングリストに投稿しました。 Craig Rawによる提案の1つは、受信者がサーバーを運用していなくても機能するようにプロトコルを拡張することでした。
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● ハードウェアウォレットをBitcoinのより高度な機能と互換性のあるものにする: Kevin Loaecは、単一の署名やマルチシグよりも複雑なスクリプトを扱えるようにハードウェアウォレットをどう変更できるかについて、 Bitcoin-Devメーリングリストで議論を開始しました。例えば、ハードウェアウォレットでインチャネルのLN支払いや、 vaultからの支払いを扱えるようにすることです。彼の投稿は、最近のハードウェアウォレットが扱えないさまざまな問題を うまく説明していますが、必要な「変更は非常に難しいかもしれない」と指摘しています。
サービスとクライアントソフトウェアの変更
この毎月の特集では、Bitcoinのウォレットやサービスの興味深いアップデートを取り上げています。
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● BlockstreamがJadeハードウェアウォレットを発表: Blockstreamの新しいJadeハードウェアウォレットはオープンソースで、 BitcoinとLiquidネットワークをサポートし、Android用のBlockstream Greenと互換性があります。
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● ColdcardがPayjoin署名を追加: Coldcardの3.2.1のリリースでは、BIP78 Payjoin署名のサポートと、 さまざまなマルチシグの改善が追加されています。
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● Mempool v2.0.0 リリース: mempool.spaceウェブサイトをサポートするオープンソースの ブロックエクスプローラー mempoolは、バージョン 2.0.0をリリースしました。 mempoolはBitcoin Core、ElectrumおよびEsploraのバックエンドをサポートしており、 APIを介してブロック、トランザクション、アドレスの情報を公開しています。
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● BlueWalletがマルチシグを追加: BlueWalletのバージョン6.0.0 では、 エアギャップでnative segwitマルチシグのvaultを作成し管理する機能が追加されました。
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● SparrowがBitcoin Coreへの接続をサポート: Sparrow 0.9.10では、Bitcoin Wallet Tracker v0.2.1の Java Native Interfaceバインディング機能を使って、Bitcoin Coreノードへの直接接続をサポートするようになりました。
リリースとリリース候補
人気のBitcoinインフラストラクチャプロジェクトの新しいリリースとリリース候補。 新しいリリースにアップグレードしたり、リリース候補のテストを支援することを検討してください。
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● Bitcoin Core 0.21.0はこのフルノード実装の次のメジャーバージョンと それに関連するウォレットと他のソフトウェアの次のメジャーバージョンです。 バージョン2 アドレス通知メッセージを使用した新しいTor onionサービスのサポートや、 compact block filtersを提供するオプション、 (taprootが有効になったデフォルトsignetを含む)signetのサポートなどが 主な新機能になります。また、output script descriptorをネイティブに使用するウォレットの 実験的なサポートも提供しています。変更点の完全なリストについてはリリースノートを参照してください。
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● Rust Bitcoin 0.26.0は、このライブラリの新しいリリースです。主な新機能には、signetのサポート、 バージョン2 アドレス通知メッセージおよびPSBTのハンドリングの改善などが含まれています。 詳細は、リリースノートを参照してください。
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● BTCPay Server 1.0.6.7は、先週リリースされた1.0.6.5への2回目のメンテナンスリリースで、 “ウォレットセットアップでのoutput descriptorサブセットのサポート”が追加されました (以下の注目すべき変更点のセクションを参照)。その他の機能やBug Fixも含まれています。
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● C-Lightning 0.9.3rc2は、このLNノードの次のマイナーバージョンのリリース候補です。
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● LND 0.12.0-beta.rc5 は、このLNノードの次のメジャーバージョンの最新のリリース候補です。
注目すべきコードとドキュメントの変更
今週のBitcoin Core、C-Lightning、Eclair、LND、Rust-Lightning、 libsecp256k1、Hardware Wallet Interface (HWI)、Rust Bitcoin、BTCPay Server、 Bitcoin Improvement Proposals(BIP)、およびLightning BOLTsの注目すべき変更点。
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● Bitcoin Core #19937では、signetブロックをマイニングするための
miner
スクリプトと 新しいスタンドアロンのbitcoin-util
実行ファイルが追加され、新しいsignetネットワークの作成、維持を容易にします。 また、新しいツール用の広範なドキュメントも含まれています。 -
● LND #4917は、デフォルトでanchor outputを無効にします。 この機能は次の0.12.0-betaでリリースされる予定の機能です。上級ユーザーは、引き続きオプトインでanchorを使用できます。 コミットメッセージには、”the plan is to enable anchors by default [in a later release].”と記されています。
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● Rust-Lightning #742は、署名者が追加のチェックをして署名を提供するために必要なトランザクション毎の情報を提供することで、 署名者のAPIを改善します。このPRはここのRust-Lightningの外部署名者をサポートするためのより大きな取り組みの一部です。
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● BTCPay Server #2169では、44 (P2PKH HDウォレット)、45 (P2SH マルチシグHDウォレット)、 49 (P2SH-P2WPKH HDウォレット)に従って作成されたウォレットを参照するoutput script descriptorのデコードをサポートをする機能と、 他のマルチシグの導出(P2SH-P2WSHおよびP2WSHを使用するためのドキュメント化されていない拡張を含む)のためのBIP44の修正案が追加されています。